カテゴリとタグの決め方は、サイト運営者が必ず一度は思い悩むテーマのひとつです。
サイトを訪れたユーザーが最初からカテゴリやタグに関心を持つことはありません。しかし、サイトに掲載されたコンテンツに強い関心を持ったユーザーほど、カテゴリやタグを利用してサイト内を巡回します。
つまり、カテゴリとタグの設定は、発信している情報に強い関心を持つ人々のユーザーエクスペリエンスを高めるために行う施策です。いわば「上顧客」を対象にしたウェブ施策であると言えます。

この記事を読めば、こんな悩みを解決できます
・タグとカテゴリの違いはなんですか?
・カテゴリやタグの決め方のコツは?
・タグとカテゴリはどう使い分ければよいですか?

この記事は、WordPressビギナー向けです。
・ウェブサイトを管理している方
・コンテンツを整理したい方
・検索エンジン最適化(SEO)に関心のある方
これからワードプレスを始める方は、別記事「WordPressの始め方」も合わせてご覧ください。
目次
カテゴリとタグの役割と違い
カテゴリとタグは、記事系コンテンツを整理します。サイトを訪れたユーザーが記事を見つけやすくするための重要な要素です。サイト運営者の方は、カテゴリとタグの役割と違いについて、しっかり理解しましょう。
さて、カテゴリとタグの決め方を知るには、まずは違いを理解することが大切です。
カテゴリの役割
まず、カテゴリの役割は、コンテンツを大まかなトピックやジャンルに分類することです。


具体例としては、旅行ブログであれば「国内旅行」「海外旅行」「ホテル」「チケット予約」などのカテゴリを設定します。これにより、読者は自分が興味のある特定のトピックに関連する記事を見つけやすくなります。
タグの役割
次に、タグの役割は、より具体的なキーワードやトピックに関連付けられるものです。


具体例としては「ひとり旅」「女性におすすめ」「インスタ映え」「ふるさと納税」「映画ロケ地」といったタグがあります。これらのタグは、読者が特定のキーワードで検索した際に関連記事を表示させるために使用されます。
カテゴリとタグの違い
カテゴリとタグの違いを別の言い方で表現すると、次の通りです。
- カテゴリには客観的な事実
- タグにはサイト運営者の思い
この違いを理解することによって、カテゴリとタグの決め方は非常に分かりやすくなります。
カテゴリは大まかなコンテンツの分類です。またそれと同時に、誰が見ても明らかな事実に基づいた分け方であることが大切です。例えば、ニューヨーク旅行は必ず「海外旅行」カテゴリに含まれます。また、ディズニーランドは「遊び・体験」カテゴリです。
一方のタグは、サイト運営者の個性が反映されます。つまり、「こんな方に是非とも読んで欲しい」などの思いが込められたものになります。例えば、ホテルのブランチの記事をイメージしましょう。「女性向け」「自分へのご褒美」「インスタ映え」などのタグが良さそうです。
もし、コンテンツ作成の質を改善したい方は、別記事「記事系コンテンツの書き方」や「コンテンツSEO完全ガイド」も参考になります。
参考:WordPress公式の「カテゴリとタグの違い」
WordPressの公式ブログにも、カテゴリとタグの違いに関する解説記事があります。ここでは、カテゴリやタグの決め方の参考になる箇所を引用します。
カテゴリーによって記事のテーマが区切られ、読者が最も興味のあるものに辿り着き、興味の無いものをスキップできるようにします。
タグは記事のテーマのなかで、読者が関連コンテンツを見つけられるようにします。ユーザーが類似した記事を見つけられるようにする詳細なラベルのようなものです。
Categories vs. Tags: What’s the difference?
カテゴリの決め方:ポイントと具体例を紹介
カテゴリの決め方のポイントは、次の6項目です。
- カテゴリの数は、小中規模のサイトでは10個までにする
- 大カテゴリ、中カテゴリの階層化を用いて分かりやすくする
- 各カテゴリは200本の記事候補があるものにする
- 困ったときに入れるゴミ箱のようなカテゴリを作らない
- カテゴリのスラッグは、短くシンプルにする
- ワードプレスではカテゴリによるURL変更に注意する
ウェブサイトの開設にあたっては必ずカテゴリ分けのルールを明確化します。複数のライターや編集者が携わる場合は特に重要です。誰でも容易にカテゴリ分類ができるルール作りをしましょう。
カテゴリの決め方の全ての項目について解説します。そのあとで、当サイトで実際に採用しているカテゴリの具体例をご紹介します。
カテゴリの決め方1:カテゴリの数は10個までにする
カテゴリの数は、1000記事以内の小中規模サイトで10個までが目安です。
あまり多くのカテゴリを設定すると、ウェブサイトのテーマ性が薄まります。加えて、ユーザーの閲覧時の利便性(ユーザーエクスペリエンス)を損ねます。
本来、ユーザーエクスペリエンスを高めることが目的の施策です。ですから、逆にユーザーを混乱させてしまうのは本末転倒です。ユーザーが不便に感じる施策にならないように注意しましょう。
カテゴリの決め方2:階層化を用いて分かりやすくする
カテゴリは階層化して、大カテゴリや中カテゴリを親子関係で整理することができます。
大まかな分類を行うためにカテゴリを設定します。しかし、あまりに広い枠組みでの分類ではウェブサイトの閲覧に不便が生じます。このため、大きすぎる大カテゴリがあれば、中カテゴリを設定して小さく分けます。
ワードプレスで運営されているウェブサイトであれば、階層化の設定は簡単です。中カテゴリに入れた記事系コンテンツは大カテゴリに自動的に含まれます。これは、サイト訪問者にとって非常に便利です。
カテゴリの決め方3:各カテゴリは200本の記事候補
各カテゴリは、それぞれ少なくとも200本の記事候補があるものにしましょう。
書くべきテーマとして200項目以上を挙げることができれば、カテゴリを設置します。あくまでひとつの基準ですが、分かりやすいです。数本しか記事系コンテンツが無いカテゴリは、サイト訪問者の利便性を大きく損ねます。
特に、中カテゴリの開設は極めて慎重になるべきです。階層化の有効性を考慮しても、記事数の増加が見込めないカテゴリは。
カテゴリの決め方4:ゴミ箱のようなカテゴリを作らない
記事のカテゴリ付けに困ったときに「とりあえず入れておく」カテゴリが出来がちです。サイトを運営した経験のある方であれば、思い当たる節があるでしょう。
これは、ウェブサイトに限らず、身の回りの整理整頓でも同じです。デスクや自室のなかに整理できないものを置いておく棚や、とりあえず入れておくボックスはないでしょうか。自分だけが使用するデスクや自室であれば問題ありません。しかし、他の人がモノを探すのは非常に困難です。
絶対的なルールとして、カテゴリを作成する目的はサイト訪問者の利便性を高めることです。
カテゴリの決め方5:カテゴリのスラッグは短くシンプルにする
カテゴリには、スラッグを付けることができます。スラッグは、階層化された記事URLに含まれます。
あまりに長いスラッグは、記事URLの見た目を損ないます。ユーザーは感覚的に長すぎるURLに不信感を抱くため、これを避けましょう。なお、URLにキーワードが含まれていることはSEOにも有効です。
カテゴリの決め方6:カテゴリによるURL変更に注意する
ワードプレスで運営されているウェブサイトへの注意事項です。カテゴリの設定を調整することによって記事系コンテンツ(投稿ページ)のURLが変更されてしまう場合があります。
サイト開設初期にカテゴリを決定するのが最も良いです。しかし、やはりサイトを運営していくなかで中カテゴリを設定したり、記事のカテゴリを入れ替えたいケースが出てきます。こうしたとき、記事のURL変更が生じていたら要注意です。
URL変更による検索エンジン最適化(SEO)への影響を最小限にするように注意しましょう。必ず301リダイレクトによるURL転送などのを行ってください。
【具体例】当サイト「SEOポータル」のカテゴリの決め方
SEOポータルでは、以下のようにカテゴリを設定しています。コンテンツSEOに関連した情報の発信を行うサイトのカテゴリ構成として参考にしてください。
SEOポータルのカテゴリ構造
カテゴリの数を8個として、大カテゴリ3つに中カテゴリを5つという構成です。カテゴリごとの特性があります。そして、それぞれの200本どころか1000本以上の記事テーマリストがあります。
また、当サイトはコンテンツSEOがメインテーマですので、その基盤となるSEOと、サイト構築の土台であるWordPressのカテゴリを設けることで、投稿予定のテーマの全てをカテゴリ分け可能な状態としています。
カテゴリの決め方のルールを全て押さえています。
タグの決め方:SEOに役立つヒント
タグの決め方は、サイト運営者の独創的なアイデアや思いを活かして、カテゴリよりも自由に決めることができます。カテゴリ分けに厳しいルールを適用する一方で、タグ付けでは柔軟さを持つことが大切です。
あくまでタグは自由という大前提のもと、検索エンジン最適化(SEO)の観点からタグの決め方で役立つヒントをいくつかご紹介します。
- カテゴリを横断して関連性や意味を持たせるタグ
- カテゴリ内を細分化するためのタグ
- サイト訪問者に使い方やライフスタイルを提案するタグ
- 想定する読者ターゲットを絞り込むためのタグ
- 短期連載や連載シリーズを明らかにするタグ
- ワードプレスの表示をコントロールするためのタグ
カテゴリは1つの記事に対して1つであることが好ましいですが、タグについては当てはまるものを全て選択して1つの記事に複数のタグ付けをしても全く問題ありません。上手くタグを活用することで記事の関連性を検索エンジンにも伝えましょう。
では、それぞれの項目について詳しく解説します。タグの決め方の参考にしてください。
カテゴリを横断して関連性や意味を持たせるタグ
カテゴリとタグは独立した存在ですので、タグ付けをする際にはカテゴリに縛られることなく、できればカテゴリを横断して使用できるようなタグを数多く使いましょう。
例えば、旅行ブログで「#ひとり旅におすすめ」というタグを用意しておけば、国内旅行や海外旅行、ホテル、移動手段、観光地などを問わず、一人で旅をする人たち向けの記事をひとつのタグで結びつけることができます。
カテゴリ内を細分化するためのタグ
大カテゴリや中カテゴリだけでなく3階層目の小カテゴリまでを使用して、細かくカテゴリを設定しているウェブサイトが多くありますが、細分化したい項目についてはタグで分けるのがおすすめです。
カテゴリについては各カテゴリごとに少なくとも200本以上の想定記事があることを基準としましたが、タグに関しては仮に2本の記事しか含まれないタグがあったとしても、検索エンジンが記事の関連性を知る手がかりとなります。
サイト訪問者に新たな発見やライフスタイルを提案するタグ
タグの決めるときには、サイト訪問者に対して新たな発見や、新たなライフスタイルを提案するようなイメージを持つと分かりやすいかもしれません。
具体的には、旅行ブログで「#たまには贅沢」というタグを使用することで、できるだけ節約して旅行をしたいというサイト訪問者に対して、普段はチェックしないような少し値段の高いディナーや観光地、ホテルなどを知ってもらう機会になるでしょう。
想定する読者ターゲットを絞り込むためのタグ
タグには、多くの人に読んでもらうという効果だけでなく、読者ターゲットを絞ることで記事の内容を濃くするという効果も期待できます。
例えば、「#初心者向け」「#中級者向け」「#ベテラン向け」などと知識のレベルを分けるタグを設定することによって、レベル別で読んで欲しい記事の関連付けをすることができます。また、性別や地域、年齢、年収、企業担当者などをターゲットに絞るタグ付けも考えられます。
短期連載や連載シリーズを明らかにするタグ
数回に分けて一連の内容を投稿するタイプの短期連載や連載シリーズには、タグによる管理が非常に有効です。これを間違っカテゴリで管理する間違いを犯しているウェブサイトを多く見かけます。
連載シリーズが定期的かつ長期的に続くことが事前にわかっているのであれば、独立したカテゴリを設定しても問題ありません。しかし、数回で終了するような連載であれば内部リンクとタグで対応する方がスマートです。
複数のライターでサイトの更新をしている場合、タグの決め方のルール作りをしましょう。
ワードプレスの表示をコントロールするためのタグ
ワードプレスは、記事系コンテンツの配信に便利な機能が数多く備わっており、同じタグが付けられた記事のみを抽出したページが作成される他、同じタグの記事だけを抽出した記事一覧をトップページに掲載することなども可能です。
例えば「#編集部おすすめ」というタグを設定して、このタグが付いた記事のみをトップページに表示させれば、読者がおすすめ記事を目にする機会が増えます。
カテゴリとタグの決め方まとめ
カテゴリとタグの決め方について、それぞれの特徴と使い方、具体例などを紹介しました。
どちらも上手く活用することでユーザーエクスペリエンスを高めるだけでなく、検索エンジン最適化(SEO)にも非常に有効な影響を与えます。一方、使い方を誤ればサイト訪問者を混乱させてしまうことも忘れてはいけません。
また、カテゴリやタグは一度決めたものを使い続けるのがベストですが、それでも長期間にわたってサイト運営をしている場合には、定期的な見直しによってゴミ箱扱いされているカテゴリなどの有無をチェックしていただければと思います。
当サイト「SEOポータル」では、カテゴリやタグなどのワードプレスの設定に関わるものから、記事系コンテンツの書き方までを含め、検索エンジン最適化(SEO)に役立つ記事を数多く公開しています。お時間があるときには是非、ほかの記事も参考にしてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
投稿者プロフィール

- コンテンツSEOライター
- 大学在学時よりライターとしてアルバイトを始め、現在はプロのライターとしてSEOを意識した記事系コンテンツを執筆しています。
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