記事系コンテンツの書き方は、目的に応じて大きく異なります。

もし、個人の日記のような目的であれば何もルールはありません。しかし、検索エンジン最適化(SEO)が目的なら、書き方にはルールがあります。

この記事は、過去に1億文字以上の記事を書いてきたSEOライティングに習熟したライターの経験をまとめたものです。私見を多く含みますが、是非ご覧ください。記事系コンテンツの書き方に悩む方には、少しだけ役に立ちます。

佐藤 隆司

この記事では、こんな疑問に答えています。
・記事系コンテンツとは何か?
・記事系コンテンツ作成の手順は?
・どんな種類の記事系コンテンツがあるの?

中村 結衣

この記事はコンテンツSEO初心者向けです
・コンテンツSEOに取り組んでいる方
・コンテンツSEOを実践したい方
・記事制作を内製化したいウェブ管理者

渡辺 修平

この記事を読むのにかかる時間:約 17

記事系コンテンツとは?

記事系コンテンツとは、情報を提供するための文章のことを指します。つまり、読者に価値を提供することが目的の文章です。また、企業の商品やサービスの魅力を伝えることが最終目標となります。

コピー作成やコピーライティングと類似したものです。しかし、記事系コンテンツはより詳細な情報の提供が求められます。例えば、商品の特徴や使い方、トレンドに関する情報などを伝えます。

記事系コンテンツは、検索エンジン最適化(SEO)の一環としても重要です。良質な記事系コンテンツは検索エンジントラフィックを増やします。また、読者に有益な情報を提供することで信頼性を高める助けになります。

SEOライティングとは?

SEOライティングは、良質な記事系コンテンツを制作することです。ユーザーに有益な文章を提供し、さらに検索エンジンに最適化します。これによって、検索結果ページで競合他社よりも注目を集めます。つまり、良質な記事系コンテンツによって、企業の収益性を高めるのです。

ユーザーの満足度と検索エンジン最適化を満たすコンテンツの制作は、決して容易ではありません。このため、本格的なSEOライティングを行うライターは十分な知識が必要です。

しかし、記事系コンテンツを積み重るSEO戦略は、驚く効果を生み出します。規模の大小を問わず、業種や業態を問わず、あらゆる企業に効果があります。

コンテンツSEOとは

コンテンツSEOとは、良質な記事系コンテンツによって行うSEO対策です。つまり、コンテンツによる検索エンジン最適化(SEO)です。サイトを訪れるユーザーに役立つコンテンツの制作が、対策の核となります。サイト全体のSEO戦略に基づいて、熟練のライターがSEOライティングを行います。

コンテンツSEO完全ガイド

記事系コンテンツの制作には、SEOライティングやコンテンツSEOの知識が不可欠です。

キーワード調査で書くための準備をする

記事系コンテンツは、徹底的なキーワード調査から始めます。SEOライティングは、キーワード無しには何も書くことができません。つまり、ユーザーが興味を持つキーワードを見つけることが大切です。

各記事ごとに1つ、検索エンジン最適化(SEO)のためのキーワードを選定します。この記事に対するSEO対策用キーワードのことを、重点キーワードと呼びます。

もちろん、重点キーワードはユーザーが興味を持つものでなくてはなりません。なぜなら、記事系コンテンツはユーザーのために書くものだからです。検索エンジンだけでなく、ユーザーに役立つことを忘れずにキーワードを選びます。

重点キーワードの選び方

記事系コンテンツの書き方

重点キーワードが決まったら、いよいよ記事系コンテンツの制作を始めます。SEOライティングは、構成、執筆、仕上げの3つのステップで進めます。

なお、この3ステップにかける時間の割合は、構成が50%、執筆が20%、仕上げが30%が目安です。

記事系コンテンツの書き方1:構成

記事系コンテンツの制作では、いきなりキーボードを打ち始めてはいけません。まず、あらゆる角度からコンテンツの内容について考え、構成を完成させます。重点キーワードを最も分かりやすく伝えられる構成が必要です。

構成を完成させるには、次の全ての要素が必要です。

  1. 記事系コンテンツの目的を明確にする
  2. 読者に伝えたいメッセージや、答えたい疑問を決める
  3. 想定する読者のイメージ(ペルソナ)を強く持つ
  4. コンテンツの執筆に必要な情報を収集する
  5. 読者に最も伝わる順序を確定する

この5つの要素のうち、ひとつでも欠けると良質な記事系コンテンツを書けません。しっかりと丁寧に執筆のための準備を行ってください。

記事系コンテンツの目的を明確にする

記事系コンテンツには、それぞれに目的が必要です。同じキーワードであっても、目的が違えば内容が大きく変わります。ですから、コンテンツを書き始める前には、目的を明確にしましょう。

記事系コンテンツの目的は、実にさまざまで多岐にわたります。例えば、読者を興奮させたり、喜ばせたり、時には危機感を煽ることも目的です。また、商品やサービスの購入を促すように説得することもあります。

もちろん、記事系コンテンツの目的は、サイト全体のコンテンツSEO戦略に沿ったものでなければなりません。

読者に伝えたいメッセージや、答えたい疑問を決める

サイト訪問者の検索意図を考えることも大切です。検索エンジンを利用するユーザーは必ず、何かを探しています。疑問の答え、欲しい商品の情報、具体的な購入方法、イベントの開催地などです。ですから、検索クエリの背後にある検索意図を探り、伝えたいメッセージを決めます。

想定する読者のイメージ(ペルソナ)を強く持つ

日常生活では、同じ話であっても、伝える相手によって話し方を変えます。例えば、使う言葉や声のトーン、話にかける時間などは、話し相手によって変わります。これと同じように、記事系コンテンツでも想定する読者ごとに書き方を変えます。

コンテンツの想定読者のことを、ペルソナと呼びます。SEOライティングに慣れていないライターほど、具体的なペルソナの設定が必要です。年齢や性別は当然として、学歴や職業、家族構成なども考慮すると、想定読者のイメージが付きやすくなります。

コンテンツの執筆に必要な情報を収集する

記事系コンテンツは、ユーザーに読まれるために執筆する文章です。どのような目的であっても、不正確な情報やウソを書くべきではありません。このため、執筆に必要な情報収集や、知識の正確さの再確認を行います。

また、執筆前の情報収集は、記事コンテンツの情報の濃さに影響します。ユーザーの時間を無駄にしたり、読んだことを後悔させたりしないように、しっかりと情報収集しましょう。

読者に最も伝わる順序を確定する

読者に次のアクションを起こさせるためには、伝える順序も大切です。ここまでに検討した「目的」「メッセージ」「ペルソナ」「情報」をもとに、記事系コンテンツの構成を完成させます。

一般的にウェブ上のコンテンツは、シンプルで分かりやすい文章が好まれます。なぜなら、本や雑誌と比べて、読者の注意が散漫だからです。その一方で、読者の要望が多種多様であるため、情報には網羅性が求められます。つまり、シンプルであることと、情報が豊富であることを同時に求められます。

相反する2つの条件を満たすためには、流れるように美しい構成が必要になります。読者の注意が他に逸れないように、慎重かつ丁寧にメッセージを伝えます。文章を最後まで読ませる流れを作ることが、構成の役割です。

記事系コンテンツの書き方2:執筆

記事系コンテンツの構成が決まったら、SEOライティングに取り掛かります。執筆にかける時間は、記事系コンテンツ作成のうち、僅か20%です。

しかし、構成を完成させるまでに十分な情報を収集しています。執筆の目的も、伝えるべきメッセージも、想定読者も明確になっています。

記事系コンテンツを素早く仕上げるためのコツを紹介します。

  1. 記事の導入文は、最後に書く
  2. まずは最後までを一気に書く
  3. 答えを書いてから、理由を説明する
  4. ペルソナに合わせたテンポで書く
  5. 読みやすい短文を繋げる

文章を書くことに苦手意識のある方は、これらのコツを参考にしてください。記事系コンテンツの書き方に慣れると、少しずつ執筆スピードが上がります。

記事の導入文は、最後に書く

コンテンツの最初の段落である導入文は、ベテランのSEOライターでも苦労します。このため、導入文は最初に書くのではなく、記事全体を書き終えてから最後に書きます。

サイトを訪れたほぼ全てのユーザーが、導入文を目にします。ですから、記事系コンテンツの中で導入文は最も重要な段落であると言えます。だからこそ、記事全体を書き終え、全ての情報が頭に入っている状態で書くのが、導入文には相応しいです。

まずは最後までを一気に書く

記事系コンテンツの執筆は、時間をかけすぎないことも重要です。文章の執筆で多くの時間がかかる理由のひとつは、表現方法と文法チェックです。最初から完成度の高い文章を書くのは理想ですが、まずはスピードを優先します。

執筆の次の工程として仕上げのステップがありますので、安心してください。まずは表現方法や文法チェックは後回しにして、最後まで一気に書き上げましょう。

答えを書いてから、理由を説明する

ウェブサイトに掲載する文章は、いわゆる逆ピラミッド型が理想的です。まず先に主題である結論や答えを書き、その理由を説明するという流れになります。記事系コンテンツの後ろに結論を置くと、多くの読者が最後まで読まずに離脱します。

特に検索エンジンから訪れたユーザーは、結論が書かれているページであるかどうかを早期に判断します。結論や答えが書かれている可能性のあるページは、検索エンジンにいくつでもあります。ユーザーは検索結果ページに戻り、次の候補へと移動します。

ペルソナに合わせたテンポで書く

記事系コンテンツの執筆では、常に想定読者(ペルソナ)を意識します。特に、文章のテンポについてはペルソナに話しかけるように書きましょう。また、専門用語の使用・不使用や、記事のボリュームも、ペルソナに合わせてください。

専門家に対して専門性の高い文章を書くのであれば、テンポは速くなります。一方で、専門外の人々に対して文章を書く場合には、テンポを抑えてください。

読みやすい短文を繋げる

短い文を繋げた文章は、読者にとって読みやすく、理解しやすいです。また、文法を気にする箇所が少なくなるので、執筆スピードも上がります。読者に難しい文章だと感じさせず、ウェブサイトからの離脱を防ぎましょう。

SEOライティングに不慣れな方は、短文の執筆スタイルに苦労するかもしれません。しかし、読みやすさと執筆スピードというメリットがあります。文章を書きながらマスターするようにしましょう。

記事系コンテンツの書き方3:仕上げ

構成と執筆を終え、記事系コンテンツの制作にかける時間のうち、7割が過ぎました。まだ、残りの30%の時間が残っています。つまり、この仕上げには十分な時間の余裕があります。

仕上げのステップで行うべきことは、次の3つです。

  1. 文章を声に出して、じっくり読む
  2. 単語、文章、段落、段落間の順番でチェックする
  3. 見出しの構成について再確認する

記事全体を上から下まで、少なくとも3回ほど繰り返し読みながら、作業を進めます。それぞれの項目について、やるべきことを詳しく説明します。

文章を声に出して、じっくり読む

読みやすい文章は、声に出してもスムーズに読むことができるものです。伝えたいメッセージが分かりやすい順序で書かれていることを確認しましょう。ここでは文章の流れをチェックすることを優先してください。

手直ししながら読んでいると、文章の流れが分からなくなってしまいます。まず一度は全体を通して、じっくりと音読してから、2回目で手直ししましょう。

単語、文章、段落、段落間の順番でチェックする

次に、表現方法や文法などのチェックを行います。最初に全体の流れを音読で確認していますので、小から大へと手直しを行います。

まず、文字や単語などのスペルチェックをします。さらに、適切な語句やフレーズが使用されているかどうかも確認してください。続いて文章については文法チェックを優先します。それから、段落へと対象を広げて、文章の繋がりにおかしな点が無いかを見直します。

最後に段落間のチェックでは、逆ピラミッド型のコンテンツ構成に注目してください。結論を述べてから理由を説明する流れで、読者を飽きさせない構成であれば問題ありません。

見出しの構成について再確認する

見出しは、検索エンジン最適化(SEO)で特に重要です。半分程度の見出しに重点キーワードが含まれていることを、まずは確認してください。また、それぞれの見出しが読者を惹きつけるものであるかも見直しましょう。

検索エンジンを経由してウェブサイトを訪れるユーザーのなかには、本文を読まずに見出しのみを追いかけるような読み方をする人もいます。見出しだけを上から下まで読んでも本文の内容が理解できれば、完璧な記事系コンテンツの完成です。

記事系コンテンツの書き方まとめ

記事系コンテンツは、コンテンツSEOの知識と、SEOライティングの技術によって完成します。検索ユーザーに対して、良質なコンテンツを提供しましょう。

まとめると、記事系コンテンツの書き方の流れは、構成、執筆、仕上げの3ステップです。記事制作にかかる時間は、構成が50%、執筆が20%、仕上げが30%です。これまで執筆だと考えていた時間は、作業全体の僅か20%のみです。しっかりと準備をして、じっくりと見直す時間を設けましょう。

当サイト「SEOポータル」は、コンテンツSEOを中心に情報発信をしています。他にも多くの記事を配信しています。是非お時間のある時にお読みください。

最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。

投稿者プロフィール

中村 結衣(Yui Nakamura)
中村 結衣(Yui Nakamura)コンテンツディレクター
記事の執筆や、WordPressの使い方などに詳しく、当サイトではコンテンツ制作者に役立つ「SEOキーワードの選び方」「記事系コンテンツの作り方」などを担当。