企業公式Xアカウントの運用方法を解説！投稿のポイントと時間帯

企業公式Xアカウントは、新たな顧客を獲得するための重要なメディアです。公式ウェブサイトよりも気軽に更新でき、潜在顧客との接点が生まれます。しかし、実際に企業公式Xアカウントを運用してみると、想像以上に手間がかかるものです。

企業公式Xアカウントの担当者の皆さまのために、データに基づいた運用に役立つアイデアやコツをご紹介します。ぜひ、本文を読み始める前に、中村のXアカウント（@nakamura_seo）のフォローもお願いします。

企業公式Xアカウントで出来ることは？

企業公式Xアカウントは、企業やブランドの名義でX（旧Twitter）に開設されたアカウントのことです。多くの場合には社内人材によって運用されます。また、外部委託や運用代行で管理されているケースもあります。

企業が公式のXアカウントを運用することで、次のようなことが可能です。

• 商品やサービスのPR
• 自社ブランドの認知度向上
• 新たな人材の獲得

細かく分けるとさらに分類できますが、主には「PR」「認知度向上」「人材獲得」を行いたいときに、Xの企業公式アカウントが役立ちます。

データで見るX（旧Twitter）の現状

まずは、日本のXの現状について、データから見てみましょう。

日本のX（旧Twitter）のアカウント数は7340万

日本は、本国アメリカに次いで世界で2番目にXアカウントが多い国です。2024年3月現在の日本のXアカウントは、7340万です。第3位以下は、インド、イギリス、インドネシアと続きます。

人口に占めるアカウント数の割合では、日本が最も多いです。

多くの年代でXがFacebookを上回る

SNSの利用率では、X（旧Twitter）がLINEに次いで第2位です。年代別では、10代と20代が最も多く、30代や40代と続きます。

他のSNSとの比較では、60代を除いてはXがFacebookを上回っています。一方、Instagramとの比較では、ほぼ全年代（60代以外）でInstagramのユーザーがXよりも多いです。また、全ての年代においてYouTubeの方がXより利用率が高いです。

LINEについてはメッセージアプリとしての利用が多いです。このため、SNSとしての比較はあまり参考になりません。

Xに投稿するのは日本人の16％

日本人の全年代うち、Xの利用率は46.2%で、Xで投稿する人の割合は16％です。

写真や画像がメインのInstagramの方が、投稿する割合でも少し上回っています。一方、YouTubeについては視聴者の割合が多く、動画を投稿する人の割合は1％以下です。

文章と画像によってメッセージを届けられる点で、Xは企業の利用に適しています。

企業公式Xアカウントを運営するメリット

さまざまな企業がXで公式アカウントを開設しているのには理由があります。引き続き、データを基本としながら、企業公式Xアカウントを運営するメリットを解説します。

Xは企業公式アカウントが最もフォローされる

Z世代が企業公式アカウントをフォローする割合は、Xが最も高いです。つまり、Xでは企業からのメッセージが利用者に伝えやすい環境になっています。

このデータは、Z世代の10代や20代に限定したものですが、多くの年代で同様の傾向を示していると予想されます。

会社経営者や会社員などの利用率が高い

Xのアカウントの傾向として、経営者や会社員などの社会人の利用者が最も多いです。このため、BtoBおよびBtoCのどちらでも企業公式Xアカウントの発信は有効です。

投稿数では学生や自由業などの方の利用が目立ちます。しかし、閲覧者としては社会人の利用が多いことがデータから分かります。

XユーザーはSNSの口コミを参考にする

Xユーザーの58％が「SNSで見聞きした情報を参考に商品やサービスをよく利用する」と回答しています。一方、Xを利用していないユーザーでは35％に留まります。つまり、XユーザーはSNSの口コミを参考する傾向が強いです。

また、Xユーザーは非ユーザーよりも衝動買いをする傾向も強いようです。

就活生の多くがXを利用している

Xユーザーは10代や20代で最も多いです。そして、この年代の大きなイベントのひとつである就職活動の時期にも、Xは多く利用されます。なお、学生のうち83％がX（旧Twitter）を利用しているとの調査結果もあります。

就職活動についての投稿する就活アカウントは、大学2年生の終わりごろから増加します。そして、本選考のはじまる大学3年生の終わりごろにピークに達します。

また、学生のうち53％が、Xで情報発信をする企業に対して「親しみを感じる」と答えています。

企業公式Xアカウントの運営のポイント

企業の公式アカウントを運営する上で、重視したいポイントを解説します。

運営の目的を明確にする！

企業公式Xアカウントを運営する上で最も重要なことは、目的を明確にすることです。

実際に運営してみると、意外と手間と時間がかかるのが公式アカウントです。このため、目的が曖昧なままで「とりあえずやっておく」のは危険です。

まずは「商品やサービスのPR」「企業・ブランドの認知度向上」「人材獲得」のうち、どれを重視するのかを選ぶところから始めましょう。

ターゲットを明確にする！

Xは企業とユーザーの距離感が、極めて近いメディアです。このため、ターゲットを明確にすることで、より親密なコミュニケーションが可能になります。

アカウント運営の目的や、自社の事業内容から、想定される顧客をターゲットとします。できるだけ理想的な顧客や対象を想定することがポイントです。

宣伝よりも、役立つことを優先！

企業公式Xアカウントと言えども、自社の宣伝ばかりの投稿は好ましくありません。職場や友人関係でも、自分の話ばかりする人は嫌がられます。Xの投稿は、日常の人間関係と同じです。

このため、Xの投稿ではユーザーに対して役に立つことを優先しましょう。もちろん、浅く広く多くの人の役に立つことではなく、ターゲットにとって役に立つことです。

どれだけマニアックな情報やネタであっても、それを求めている人がいるのがSNSです。自社や業界ならではの情報を発信しましょう。

写真や図解イラスト、箇条書きを使う！

写真や図解イラストのあるX投稿は、注目される傾向にあります。このため、できるだけ写真やイラストを添付した投稿を心がけましょう。

また、画像の素材を用意することが難しい場合には、箇条書きも有効です。いわゆるバズってる投稿では、箇条書きを上手く活用しているものが多いです。

コミュニケーションを大切に！

SNSは、人々がコミュニケーションをすることを前提に設計されています。このため、企業公式Xアカウントであっても、コミュニケーションを大切にすることが運用の秘訣です。

いいね、リプライ、リポストなどを上手く活用して、他のユーザーと交流しましょう。

もちろん、これらのコミュニケーションは手間と時間を必要とします。それでも、アカウントを育てるためには交流が不可欠ですので、丁寧に取り組んでください。

できれば有料プランに課金する！

企業公式Xアカウントの運用では、有料プラン（Pro）の利用が効果的です。

以前は一定の基準を満たしたユーザーのみに付与されたチェックマークが、お金で買えるようになりました。チェックマークの有無によって少なからず信用を得ることができます。

また、フォロワーの表示画面では、有料プランのアカウントが優先して表示されます。フォロワーの表示は「認証済み」と「すべて」に分かれています。

このほかにも、有料プランでは投稿可能な文字数が増えたり、優先的に投稿が表示されるなどのメリットがあります。

企業公式Xアカウントが「やるべきではないこと」

企業公式Xアカウントで一般的に見られるものの、やるべきではないことをご紹介します。

フォローとフォロー外しの繰り返し

フォローバックを期待してフォローを行い、定期的にフォローを外すアカウントがあります。フォローバックされないアカウントのみをフォロー解除するケースもありますが、これも含めて頻繁なフォロー外しはXの利用ルールに反しています。

最悪の場合には、X公式によってアカウントを停止される行為です。絶対にやめましょう。

「天気」「食事」「今日は何の日？」投稿

企業公式Xアカウントで多いのが、毎日のように「天気」「食事」「今日は何の日？」を更新し続けるケースです。これらの話題の投稿は容易ですが、企業にとってのメリットはほとんど皆無です。

「〇〇フォロワーまで、あと〇人」投稿

Xアカウントの評価として、フォロワー数を気にするのは分かります。しかし、節目となるフォロワー数までの「あと〇人」の投稿は、企業やブランドの価値を下げます。

Xに夢中になって、ウェブサイトの更新を怠る

当サイトは、企業向けに記事執筆代行を提供している会社です。このため、多少のポジショントークになりますが、ウェブサイトの更新は重要です。

せっかく企業公式Xアカウントを運用していても、ウェブサイトが放置されていると、思ったような成果を上げることができません。投稿で興味を持ったユーザーの多くは、ウェブサイトを訪れます。

Xの投稿は寿命が短く、ウェブサイトの記事は長期的に価値のある資産です。このため、Xのフォロワーを収益や求人に繋げるために、しっかりとウェブサイトを更新しましょう。

Xで投稿するべき時間帯とは？

利用時間帯別のXの利用データを見ると、朝（起床～通勤・通学）、昼休み、午後の休憩時間、夜（夕食後～就寝前）で、閲覧者が増加する傾向にあります。

平日の1日の投稿イメージは、次のようになります。

時間帯	平日	内容	重要度
朝	午前8時前後	・元気に挨拶 ・シンプルな投稿	★★★★☆ 4
昼	12時台前半	・ビジネスで使えるネタ ・BtoBで響く内容	★★★☆☆ 3
午後	15時前後	・遊びやエンタメ情報 ・BtoCで響く内容	★★☆☆☆ 2
夜	20時台	・自社の記事へのリンク ・考えさせる内容	★★★★★ 5

通勤時を狙うなら午前8時前後

起床時にも利用者が増加するXですが、朝の時間帯を狙うのであれば通勤や通学時がベストです。なぜなら、起床時はフォローやいいねのチェックのみのケースが多いからです。

電車で通勤や通学をする人々のピークは午前8時前後です。また、日本の通勤時間の平均は約40分です。このようなデータから、朝のX投稿は午前7時から8時30分とされます。

通勤時間帯の電車内では、ほとんどの乗客がスマホを見ています。朝の通勤時のテンションに合わせて、優しく語り掛けるような投稿が理想的です。

昼休みを狙うなら12時台前半

昼休みの時間は、ほとんどの会社で12時台です。この時間には、サラリーマンの68.7％がパソコンやスマホなどを見ると答えています。

昼食をとる場所として半数以上が「自席」と答えています。また、食事にかける時間は、男性が20分～22分程度、女性が25分から29分程度とのデータもあります。

このため、昼食が終わって、リラックスしてSNSを見ている時間帯は12時半ごろが最も多いと予想されます。

午後の休憩時間は15時？

午後の休憩時間も、Xの利用者数が増加する時間です。一般的には「3時のおやつ」の時間である15時前後を狙います。

ただし、実際のところ、明確に15時を休憩時間としている会社は多くないです。このため、1日に2回の投稿であれば朝と昼を狙う方が合理的です。また、1日3回であっても朝、昼、夜の方が好ましいでしょう。

飲食店や居酒屋など、アフター５の集客を狙う場合は別です。読者ターゲットによって、時間帯を調整しましょう。

夜の時間帯を狙うなら20時台

夜の時間帯では、夕食後から就寝前までを狙います。

平日の夕食の開始時間は、15歳から60歳までの年代では、19時半から20時です。そして、夕食にかける時間は平均30分前後です。つまり、20時半ごろには食事を終えて、リラックスタイムとなります。

夕食の時間帯は、曜日によって大きな違いがあります。曜日別の投稿時間については、次の項目で解説します。

曜日ごとのX投稿時間の違い（平日、土日）

前項では主に、平日のX投稿の時間帯について解説しました。しかし、土日については投稿時間に工夫が必要です。アクティブ率の高い土日のX投稿を最適化しましょう。

食事をとる時間のデータを見てみると、土日の場合には、朝食が7時台～9時台、昼食が11時台～13時台、夕食が18時台～19時台となっています。つまり、この食事のあとのタイミングが投稿に向いています。

なお、土曜日よりも日曜日の方が、夕食をとるタイミングが早い傾向があります。このため、日曜日の夜であれば19時台の投稿が好ましいです。

平日の1日の投稿イメージは、次のようになります。

時間帯	土曜日	日曜日	内容	重要度
朝	午前9時前後	午前9時前後	・元気に挨拶 ・シンプルな投稿	★★★☆☆ 3
昼	13時前後	13時前後	・自社の記事へのリンク ・考えさせる内容	★★★★☆ 4
夜	19時台	19時台前半	・ポジティブな投稿 ・過去の投稿の引用RT	★★★★☆ 4

X運用に役立つ便利ツール

X運用にかかる時間を少しでも減らす便利ツールをご紹介します。

ソーシャルドッグ

プラン	月額	主な機能
無料プラン	無料	・Xには非対応
Personalプラン	1,980円	・Xアカウント１つ ・予約投稿10件 ・フォロー/フォロワー管理
Professionalプラン	9,800円	・Xアカウント１つ ・予約投稿（無制限） ・フォロー/フォロワー管理 ・キーワードモニター5件
Businessプラン	2万9800円	・Xアカウント5つ ・チーム管理（5人まで） ・予約投稿（無制限） ・投稿分析 ・フォロー/フォロワー管理 ・キーワードモニター10件
Enterpriseプラン	6万0000円	・Xアカウント10つ ・チーム管理（20人まで） ・予約投稿（無制限） ・投稿分析 ・フォロー/フォロワー管理 ・キーワードモニター30件

Hootsuite（英語）

プラン	月額	主な機能
Professionalプラン	1万2999円	・Xアカウント10個 ・予約投稿（無制限） ・投稿時間おすすめ機能 ・投稿結果レポート
Teamプラン	3万9000円	・Xアカウント20個 ・チーム管理（3人まで） ・予約投稿（無制限） ・投稿時間おすすめ機能 ・投稿結果レポート
Enterpriseプラン	問い合わせ	・Xアカウント50個 ・チーム管理（5人まで） ・予約投稿（無制限） ・投稿時間おすすめ機能 ・投稿結果レポート ・自動化ツール

Buffer（英語）

プラン	月額	主な機能
無料プラン	無料	・Xアカウント3個 ・予約投稿（無制限）
Essentialsプラン	6ドル	・Xアカウント1個 ・予約投稿（無制限） ・エンゲージメント機能 ・投稿結果レポート
Teamプラン	12ドル	・Xアカウント1個 ・予約投稿（無制限） ・チーム管理（メンバー無制限） ・エンゲージメント機能 ・投稿結果レポート

人気の企業公式Xアカウント８選

企業公式Xアカウントの運用のヒントになる人気アカウントを８つ、厳選してご紹介します。

ナイセン®︎【公式】ﾃﾚﾜｰｸに役立つｻｰﾋﾞｽ No.1（@itallinc）

SHARP シャープ株式会社（@SHARP_JP）

キングジム（@kingjim）

アイラップ【公式】（@i_wrap_official）

ローソン（@akiko_lawson）

キリンビール / KIRIN BEER（@Kirin_Brewery）

わかさ生活 広報部（@WAKASASEIKATSU）

パインアメの【パイン株式会社】（公式）（@pain_ame）

この記事の執筆者のXアカウントの運用記録

この記事の執筆を機に、改めてしっかりとＸアカウントの運用を行います。

企業公式Xアカウントまとめ

可能な限りデータをかき集め、論理的なX攻略法をご紹介いたしました。ただし、皆さんの業種や業態によって、うまく微調整していただくことも大切です。あくまで参考程度としてください。

また、Xを含めSNSは、企業の情報発信では手足のようなものです。つまり、新しいユーザーや潜在顧客を掴むことには役立ちます。一方で、実際の反響や問い合わせは、ウェブサイトを見てから行われます。

このため、Xだけに夢中になってウェブサイトの更新を怠ることは得策ではありません。

私たちは企業向けに記事執筆代行を行っています。X投稿よりもさらに手間と時間がかかるウェブサイトの記事更新について、外注をご検討の際には是非ご連絡ください。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。引き続き、中村のXアカウント（@nakamura_seo）での交流も、よろしくお願いいたします。