Googleなどの検索エンジンが、検索意図(インテント)を重視する傾向が強まっています。ユーザーが入力した検索クエリを読み解き、検索意図に対する答えを提示します。つまり、キーワード重視からインテント重視へと、検索エンジンは大きく変化しています。
インテント(検索意図)の意味や、実際のウェブ運営での活用法を解説します。
目次
検索意図(インテント)とは?
検索意図(インテント)とは、ユーザーが検索エンジンを使用している目標または目的のことです。具体的には、「何を」求めているのかではなく、「なぜ」求めているかが検索意図です。
以前と比べ検索エンジンは、人々にとってより身近になっています。このため、ユーザーは疑問や悩みを解決し、購買意欲を満たすために検索エンジンを利用します。
検索エンジンは、ユーザーが入力した検索クエリから検索意図を読み取ります。そして、検索意図を汲んだ検索結果をユーザーに提供します。ですから、ウェブサイト管理者は検索意図に対する答えを用意して、ユーザーを迎え入れなければなりません。
検索意図(インテント)を反映した検索結果
検索エンジンが、ユーザーの検索意図を理解して検索結果を表示している具体的な事例を紹介します。
Google検索「ペット エサ」の検索上位には、ペットやエサを含むタイトルの結果がほとんどありません。その代わりに、ペットフードの販売サイトが数多く表示されます。
つまり、Googleは「ペット エサ」という検索クエリに対して、ペットフードの情報を求めていると理解して検索結果を表示しています。さらに、単なるペットフードの一般情報ではなく、購入したいという検索意図を推測しています。
4種類の検索クエリ
一般的にユーザーが入力する検索クエリは、4種類に分けられます。
- Knowクエリ(知りたい)
- Doクエリ(したい)
- Buyクエリ(買いたい)
- Goクエリ(行きたい)
これらの検索クエリは、ユーザーが「何を」求めているのかが分かります。そして、検索意図(インテント)である「なぜ」を知るためのヒントとなります。
ユーザーの検索意図の変化の流れ
検索エンジンを利用するユーザーの検索意図は、段階的に変化します。具体的には、次のような流れです。
- 欲求を意識する
- 理解を深める
- 条件を比較する
- 価格を比較する
- 正しさを確認する
それぞれの段階について、詳しく解説します。
欲求を意識する
ユーザーの最初の検索は、最も大きなキーワードに近い検索クエリで行われます。つまり、一般的な語句やフレーズであり、ショートテールかつビッグキーワードです。
この段階のユーザーは、欲求や必要性、願望などを理解しています。しかし、誰の何が問題を解決してくれるのかを知りません。検索意図(インテント)は、欲求を把握することです。
つまり、問題を解決してくれる「誰か」や「何か」を求めています。
理解を深める(情報)
ユーザーは、問題を解決するために必要な一般的な情報を取得しました。しかし、まだ具体性が無い状態です。つまり、根本的な問題解決に導く情報を得られていません。
この段階のユーザーは、手に入れた情報に満足していません。ですから、検索クエリは依然として、一般的かつ大きなキーワードのままです。
問題を解決してくれる「何か」を知ったものの、「誰か」には至っていません。この段階のことを「情報」の検索クエリと呼びます。
条件を比較する(ナビゲーション)
ユーザーは、問題を解決する方法(解決策)を知り、詳細を調べ始めます。
複数の解決策がある場合、それぞれの条件を比較するためのポイントを理解します。つまり、ユーザー自身にとってのメリットやデメリットを見比べます。
この段階でユーザーは、検索クエリをロングテールかつ小さなキーワードへと絞っていきます。この段階で行われる検索は「比較(ナビゲーション)」の検索意図が背景にあります。
詳細を知る(トランザクション)
条件を比較したうえで、さらに商品やサービスなどの詳細を探します。つまり、専門店や専門家など、たしかな情報を確認する段階です。
商品に詳しい情報を掲載するメーカーのウェブサイトや、専門スタッフの常駐する専門店、そのほかにも説明会やセミナー等も加わります。このため、ウェブサイトには高い専門性が求められます。
この段階のユーザーは「トランザクション」の検索意図で、Google等を使用します。
価格を比較する(商業)
ユーザーは解決策が自身にとって役立つと判断したとき、問題解決に充てられる予算を踏まえて選択肢を狭めます。つまり、複数の解決策のうち、購入できるものと出来ないものを分けます。
この段階のユーザーの心理を「商業(調査)」の検索意図と呼んでいます。
価格については単なる金額の大小だけでなく、支払い方法やローンなども含まれます。また、サブスク契約では長期契約での割引や、機能やプランごとの価格の比較もあります。
正しさを確認する
ユーザーは、購入する商品やサービス、行くべきイベントなどの解決策について結論に至ります。しかし、まだ検索は継続しており、自身の選択の正しさを確認するために検索します。
つまり、この段階のユーザーは、評価や評判などのレビューや、専門家の言及を求めています。このため、検索クエリには「商品名+評判」などが用いられます。
検索意図の段階ごとの検索クエリ
ユーザーの検索意図は、上記の流れのように変化していきます。そして、検索意図の変化に応じて、使用される検索クエリも段階的に変化します。
ショートテールからロングテールへ
初期段階の検索クエリは、一般的な語句やフレーズ(ショートテール)のキーワードが多いです。問題解決の糸口を探すため、より一般的な内容を検索するためです。
しかし、検索の段階が進むにしたがって、具体的かつパーソナルな検索となります。これに応じて、使用されるキーワードは、ロングテールへと変化していきます。
ビッグキーワードからスモールキーワードへ
また、キーワードの大きさについても同様に、ビッグキーワードからスモールキーワードへと変化します。
特に具体的な商品やサービスについて調べる際には、検索回数の少ないキーワードでの検索が増加していきます。つまり、ビッグキーワードでは検索で見つからないウェブサイトが、この段階では上位になることもあります。
「意味」「理由」から、「とは」「比較」へ
物事を大まかに把握するときと、細部について知る段階では、使用されるフレーズが異なります。
例えば、初期段階では「意味」「理由」「原因」などの検索クエリが多いです。そして、次第に「とは」「比較」「ポイント」などが増加していきます。また、最後には「評判」「口コミ」などが登場します。
検索意図(インテント)をSEO対策に活用
検索意図を分析することで、商品やサービスの販売につなげる手法をインテントマーケティングと呼びます。このマーケティング手法で最も有効な施策は、検索意図を狙ったSEO対策です。
検索エンジンが検索意図を重視すれば、ウェブサイトも同じように検索意図に応じた構成にすることが検索エンジン最適化(SEO)です。
検索意図の変化の流れを見れば分かる通り、ロングテールキーワードの対策は重要です。なぜなら、解決策を選び出す重要な局面で、ロングテールキーワードを含む検索が行われるためです。検索意図の変化の中盤辺りを狙うSEO対策が効果的です。
親近感を生み出すコンテンツSEO
SEO対策でコンテンツが重視される理由のひとつは、親近感を生み出すことです。そして、検索意図に合わせたSEO対策は、潜在顧客に対して親近感を持ってもらう絶好のチャンスです。
記事系コンテンツは、文章が読まれることでサイト訪問者のサイト滞在時間が伸びます。長い時間の接点を持つことで、愛着や親近感が生まれてきます。
また、ザイアンス効果と呼ばれる心理学にもとづいた親近感の理論があります。
ザイアンス効果(zajonc effect)とは、僅かな時間でも対象物に繰り返し接触した結果、人々がその対象物をさらに好きになる現象です。
接触する時間は一瞬で、明確に認識しない状態であっても効果があります。アメリカの心理学会では「明確に認識していない方が効果がある」と説明しています。つまり、無意識の繰り返しの接触が、最も好感度を得るということです。
グッドグレートPR「ザイアンス効果とは?」
理解を深めたり、条件や価格を比較する段階で、多くのユーザーが検索を繰り返します。このとき、多くの記事系コンテンツを用意しておくと、何度もユーザーがサイトを訪れます。そして、いつの間にかサイトや商品に対して親近感を持つようになります。
検索意図の発見に役立つツール
検索意図の発見に役立つSEO対策ツールをご紹介します。
ラッコキーワード
ラッコキーワードは、キーワードや競合サイトの分析に役立つツールです。サジェストや関連する質問の抽出が、検索意図を見つける足掛かりとなります。
ラッコキーワードの基本情報
サイト名:ラッコキーワード
運営会社:ラッコ株式会社
URL:https://related-keywords.com/
主な機能:
・キーワード分析
・競合分析
無料版でもGoogleなどのサジェストキーワードの一覧表示や、関連する質問をまとめて確認することが可能です。また、ニュースや質問掲示板などの情報も、ユーザーの悩みや疑問の発見に役立ちます。
検索意図に関連する質問
最後に、検索意図(インテント)に関連する良くある質問(FAQ)に答えます。
Googleの検索意図とは何ですか?
Googleの検索意図とは、検索クエリを入力するに至ったユーザーの目的です。つまり、ユーザーごとの悩みや不安、情報の不足など、検索によって満たしたい欲求です。
近年ではGoogleなどの検索エンジンが、検索意図を反映した検索結果を表示します。このため、SEO対策においてもキーワード重視から検索意図の重視へと変化が見られます。
検索意図にはどんな分類がありますか?
検索意図の主な分類は、次の4種類です。
- 情報
- 比較(ナビゲーション)
- トランザクション
- 商業(調査)
多くのユーザーは、何かを知りたいという「情報」の検索意図から始めます。そして、さらに詳しい情報が書かれた場所や専門家を求めて「比較(ナビゲーション)」の検索意図へと進みます。
続いて、実際に商品やサービスなどを手に入れるため「トランザクション」の検索を行い、最後に価格や評価を調べる「商業(調査)」の検索意図に辿り着きます。
同じキーワードであっても、検索ユーザーの段階によって検索意図は変化していきます。
検索意図を調べる方法はありますか?
検索意図を調べる手掛かりには、次の3つがあります。
- 検索クエリ
- サジェストキーワード
- 共起語
まず、検索クエリには、ユーザーの検索意図が色濃く反映されています。また、サジェストキーワードには単一キーワードでは満たせない検索意図が隠れています。さらに、共起語を調べることでキーワードに内在する悩みや不安が見つかります。
検索意図(インテント)まとめ
さて、検索意図(インテント)は、検索ユーザーを獲得する上でとても重要です。検索意図に合ったコンテンツを用意することで、良質なユーザーが集まります。
インテントマーケティングを実践する際には、検索意図の変化を意識しましょう。まずは大まかな把握から始め、次第に詳細を確認していきます。どの段階でユーザーの目に触れるのかを意識したコンテンツ作りをしていきましょう。
SEOポータルでは、検索意図に合わせたコンテンツを制作する記事執筆代行サービスを行っています。コンテンツSEOでは質と量のどちらも重要です。ぜひ、ご相談ください。
最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。
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