ドメインの取得は、オンラインコンテンツの運営をはじめるための第一歩です。まだSEOやウェブの知識がないときにドメインを取得する方も多いため、独自ドメインの選び方で間違えてしまって後になって苦労されている方が多くいます。
検索エンジン最適化(SEO)にも、独自ドメインは非常に大切です。ドメインの選び方について詳しく解説します。
コンテンツSEOの第一歩はドメイン選びからです。
ドメインとは
ドメインとは、インターネット空間における住所のことです。ウェブサイトのURLやメールアドレスなどに使用します。企業や個人が所有して独占的に使用できるドメインのことを、独自ドメインと呼びます。英語でDomainは「領域」「区域」という意味です。
具体的には「.com(ドットコム)」や「.net(ドットネット)」などが代表的なドメインです。会社であれば「.co.jp(シーオージェーピー)」が使用されることが多いです。
会社が「.co.jp」を取得するべき理由は、後ほど詳しく解説します。
ドメインの種類
ドメインは「.com」「.net」「.co.jp」以外にも数多く存在します。実はドメインは全部で1000種類以上あります。特に2012年以降はドメインが急増し、今後も増加していくことが予想されます。
大きく分類するとドメインは、以下の5種類に分けられます。
- gTLD(一般トップレベルドメイン)
- ccTLD(国別トップレベルドメイン)
- 新gTLD(新しい一般トップレベルドメイン)
- Web3ドメイン(NFTドメイン)
- .onion(匿名ネットワーク専用ドメイン)
TLDは、トップレベルドメイン(Top Level Domain)の略語です。
gTLD(一般トップレベルドメイン)
gTLD(一般トップレベルドメイン)とは、2000年以前から存在していた7つのドメインのことを指します。これには、最も有名な「.com」や「.net」などが含まれます。
なお、2000年以降にもgTLDは追加されています。こちらはgTLDと区別するために「新gTLD」や「newgTLD」などと呼びます。
- .com(ドットコム) 世界中の誰でも取得可能
- .net(ドットネット) 世界中の誰でも取得可能
- .org(ドットオーグ) 非営利団体向け
- .edu(ドットエデュ) 教育機関専用
- .gov(ドットガヴ) アメリカ政府専用
- .mil(ドットミル) 米軍専用
- .int(ドットイント) 国際機関専用
7つのgTLDのうち5つのドメインは特定の機関や目的に限定されています。世界中の誰もが自由に取得して使用できるのは「.com」と「.net」だけです。
ccTLD(国別トップレベルドメイン)
ccTLD(国別トップレベルドメイン)は、世界各国に割り当てられたドメインです。国ごとに定められた組織によって管理されています。その国の企業や個人のみに取得が制限されているドメインもあります。しかし、多くのccTLDが世界の誰でも取得できるドメインとして販売されています。
代表的なccTLDには、以下のようなドメインがあります。
- .jp(ドットジェーピー) 日本のccTLD
- .pw(ドットピーダブリュー) パラオ共和国のccTLD
- .co(ドットシーオー) コロンビアのccTLD
- .io(ドットアイオー) イギリス領インド洋のccTLD
- .me(ドットミー) モンテネグロのccTLD
なお、日本の企業が取得できる「.co.jp」は、目的別ドメインに分類されます。日本のccTLDであるトップレベルドメイン「.jp」から作られています。
新gTLD(新しい一般トップレベルドメイン)
新gTLD(新しい一般トップレベルドメイン)とは、2000年以降にgTLDとして登録されたドメインです。2012年には新gTLDの新規発行の方法が変更され、公募によって新gTLDの発行が可能になったことから、今後はさらに多くの新gTLDが登場することが予想されます。
2012年以前の新gTLDドメインのうち、ビジネスの目的で使用されていることが多いドメインをご紹介します。
- .biz(ドットビズ)
- .info(ドットインフォ)
- .pro(ドットプロ)
- .coop(ドットコープ)
- .jobs(ドットジョブス)
- .travel(ドットトラベル)
新gTLDは、取得条件や維持費用などが実にさまざまで、ドメイン発行期間ごとに独自の管理がされています。新gTLDのなかにも日本で既に認知度が高まっているドメインも多く、気軽に取得できるドメインも珍しくありません。
Web3ドメイン(NFTドメイン)
Web3ドメイン(NFTドメイン)とは、ビットコインなどの暗号通貨に使用されているブロックチェーン技術によって生み出されたドメインです。NFTと同じくブロックチェーン上でドメインの所有権が記録されており、取得費用がかかりますがドメイン維持費用が無料であることが特徴です。
なお、2024年1月現在、Web3ドメインで公開されたウェブサイトは一般のブラウザからは閲覧することはできませんので注意が必要です。
主なWeb3ドメイン(NFTドメイン)には、以下のようなものがあります。
- .x(ドットエックス)
- .nft(ドットエヌエフティー)
- .eth(ドットイーサ)
- .crypto(ドットクリプト)
- .888(ドットスリーエイト)
現在のインターネット環境ではWeb3ドメインの利用方法は限定されています。しかし、ドメインは早い者勝ちで短いものから順番に取得されますので、将来的なWeb3.0時代を見据えて事前に取得しておくことをおすすめします。
.onion(匿名ネットワーク専用ドメイン)
.onion(匿名ネットワーク専用ドメイン)とは、匿名ネットワークTor(トーア)のみで機能するドメインです。Tor専用ブラウザのみで閲覧が可能で、政府によって権利が侵害される恐れのある組織や、大きな権力に抵抗する組織などによって使用されています。
匿名ドメインでウェブサイトを開設している企業や組織
企業や組織がウェブサイトを匿名ネットワークの.onionドメインで開設している具体例は、以下の通りです。
- facebook(SNS) facebookwkhpilnemxj7asaniu7vnjjbiltxjqhye3mhbshg7kx5tfyd.onion
- BBC(報道機関) bbcweb3hytmzhn5d532owbu6oqadra5z3ar726vq5kgwwn6aucdccrad.onion
- ニューヨークタイムス(報道機関) nytimesn7cgmftshazwhfgzm37qxb44r64ytbb2dj3x62d2lljsciiyd.onion
- プライバシーインターナショナル(人権団体) privacy2ws3ora5p4qpzptqr32qm54gf5ifyzvo5bhl7bb254c6nbiyd.onion
- CIA(政府機関) ciadotgov4sjwlzihbbgxnqg3xiyrg7so2r2o3lt5wz5ypk4sxyjstad.onion
匿名ネットワークTorは一般的に「ディープウェブ」や「ダークウェブ」などと呼ばれ、匿名性を利用して非合法組織(反社)や犯罪者が悪用しているケースが多くみられます。アクセスする際には十分に注意してください。
SEOに最適なドメインの選び方の10のヒント
ドメイン選びは基本的に自由です。しかし、SEO対策を考慮すると注意すべき点がいくつかあります。これからドメインを取得してウェブサイトを開設する方や、ドメイン選びに失敗したと感じている方は是非一度、10のヒントを参考にしてください。
ドメインは短いほど「覚えやすい」
ドメイン選びでまず注意したいことは、あまり長すぎるドメインを避けることです。なぜなら、ドメインはウェブサイトのURLやメールアドレスに使用するので長すぎると不便です。覚えやすい短いドメインの方が好ましいでしょう。
ただし、「.com」や「.net」などのgTLD(一般トップレベルドメイン)では、3文字や4文字などの短いドメインの大半は誰かに取得されており、新規で取得することができません。できるだけ短く覚えやすいことを念頭にドメインを検索しましょう。なお、一般で取得できるドメインは3文字以上に限定されています。
ドメインは「gTLD」から選ぶ
独自ドメイン取得にあたっては、gTLDやccTLD、新gTLDの中から自由に選択できます。しかし、できる限りgTLD(一般トップレベルドメイン)から選択しましょう。つまり、「.com」もしくは「.net」を第一候補とします。
「.com」と「.net」は認知度が高く、覚えやすいドメインです。なぜなら、本格的なインターネットの利用が始まるより前の西暦2000年以前から存在しているからです。
ITバブルは「ドットコムバブル」とも呼ばれていました。
まさに「.com」はインターネットを象徴するドメインですね。
「.com」と「.net」のどちらを選ぶべきか悩んでいる方は是非、別記事「【ドメイン比較】.comと.netはどちらが優れているのか?」を参考にしてください。
企業であれば「.co.jp」ドメインを選ぶ
日本の企業が新規でドメインを取る場合には、必ず「.co.jp」を選択しましょう。日本で活動する法人であることを条件とするドメインであるため、Googleなどの検索エンジンだけでなくユーザーからの信用が高いです。
上場企業の約98パーセントが「.co.jp」ドメインを使用して、サイトを開設しています。取得条件が設定されているために誰もが自由に取得できないため、他のドメインよりも短いドメインが取得しやすいことも特徴です。
「.co.jp」ドメインを活用して、政府からの被リンクを得る方法は別記事「政府公式サイトからの直リンクをGETする方法を解説」を参考にしてください。
空きドメインは日本語由来のアルファベットで検索する
ドメインがインターネットで使用され始めてから既に30年程度の月日が経っているため、早い者勝ちのルールのために希望するドメインが取得できない(他者に既に取得されている)ケースが多いです。
希望するドメインが取得できない場合には、例えば食品関連を扱うサイトであれば英語の「foods」ではなく、「shokuhin(しょくひん)」などの日本語由来のアルファベットで探す方が、空きドメインを見つけやすいです。
日本語ドメインの単独使用は避ける
ドメインについて調べていると日本語ドメインの情報が見つかります。しかし、例えば「聖徳太子.com」のような日本語表記のドメインについては、一般的にほとんど馴染みがなく、対応していないブラウザさえありますので注意が必要です。
日本語ドメインについては単独での使用は避けるべきですが、例えば「shotokutaishi.com」と「聖徳太子.com」をセットで取得し、日本語ドメインからアルファベットのドメインへと転送をかけることで、広告などには日本語ドメインを記載するなどの活用法があり、僅かながら検索エンジン最適化(SEO)上のメリットも期待できます。
ドメインに「-(ハイフン)」を入れて検索する
空きドメインの探し方のひとつとして、ドメインに「-(ハイフン)」を入れることも検討してください。ハイフンは、ドメインに含めることができる唯一の記号で、「_(アンダーバー)」や「.(ドットは)」を含む文字列は認められません。
ただし、ドメインの重複を避けるための措置として有効なハイフンですが、入力間違いが起こりやすいドメインであることには十分注意してください。名刺などの紙に印刷してウェブサイトを教える機会が多い場合には、できるだけハイフンの使用は避けましょう。
ドメインは数字とアルファベットの混在を避ける
希望するドメインが取得できないときの対処法として、ドメインに数字を入れることは有効な方法ですが、数字とアルファベットが入り混じったドメインはおすすめできません。
例えば「yokohama(横浜)」を含むドメインを取得したい場合に、重複を避けるために「y0k0hama」などとアルファベットの「o」の代わりに数字の「0」を使用するケースなどが見られますが、数字とアルファベットの混在するドメインは打ち間違いが多いことや、正しく「o」を使用しているドメインにアクセスを奪われてしまう可能性があります。
プレミアムドメインの取得を検討する
希望するドメインを検索していると、一般の販売価格よりも高額なプレミア価格が設定されているケースがあります。プレミアムドメインの指定のルールは特にありませんが、短くて覚えやすいシンプルなドメインほど高額で売買がされています。
どれだけの収益性のあるウェブサイトを運営するのかにもよりますが、プレミアムドメインには覚えやすさや分かりやすさなどのメリットがありますので、金額次第では検討する価値があるでしょう。プレミア価格は取得時のみで、維持費については一般のドメインと同じですので、ウェブサイト開設の初期費用として検討してください。
SEO目的なら中古ドメインも検討する
古いドメインの方がGoogleが検索結果で上位に表示するケースが多くみられます。ドメインを使って運営されているウェブサイトの年数が長いほど、信頼性が増すとGoogleが考えているからです。
中古ドメインとは、以前に他の企業や個人によって使用されていたドメインです。年間の更新維持費が支払われなかったドメインは誰もが自由に取得できるようになり、一部のドメインにはプレミアが付いて中古ドメインとして販売されています。丁寧に運営されていたウェブサイトのドメインであれば、政府や企業などの信頼性の高いウェブサイトからの外部リンクが数多く張られているケースもあり、SEO対策には非常に有効です。
企業名やブランド名のドメインは出来るだけ多く取得する
Googleは世界中のあらゆる「Google」ドメインを取得していることで知られています。ブランドの展開には時間と費用がかかり、企業にとっては非常に価値のあるものですので、ブランドの知名度を悪用して他社が利益を得る機会を減らすためにブランド名のドメインについては出来るだけ多く取得しておくことが好ましいです。
ただし、ドメインは買い切りで取得費を支払うだけではなく、毎年のドメイン維持費が発生しますので、予算に応じて可能な限りの対策としてください。
ドメイン管理会社で新しいドメインを購入する流れ
ドメインの販売を行っているのは、ドメイン管理会社と呼ばれる事業者です。当サイト「SEOポータル」では、ドメイン管理会社としてバリュードメイン(Value Domain)を推奨していますが、取得するドメインによって別のドメイン管理会社やドメイン販売業者も選択肢となります。
ドメイン管理会社を選ぶ(ユーザー登録)
次の項目にてドメイン管理会社ごとの特徴について詳しく解説していますので参考にしてください。
空きドメインを検索する
・すでに上記で解説したドメインの選び方を参考に、空きドメインを検索してください。
・今後ずっと使用するドメインですので、妥協せずにしっかりと検索を繰り返しましょう。
空きドメインをカートに入れる
・ドメインの購入は、Amazonなどで商品を購入する流れと同じです。
・選択したドメインはカートに入ります。
新しいドメインを購入する
・カートに入れたドメインの決済をするために、購入手続きを行います。
・決済方法はクレジットカードやコンビニ払いなど、ドメイン管理会社ごとに異なります。
レンタルサーバーの契約に進む
・レンタルサーバーの選び方やチェックポイントについては別記事で詳しく解説します。
【特徴別】ドメイン管理会社のおすすめ4選
国内や海外を問わずドメインを販売しているドメイン管理会社を、インターネット上で見つけることができます。少しサイトを見ただけでは大きな差が無いように感じますが、実はドメイン管理会社にも特徴があります。
ドメイン管理会社はドメインの購入のときだけではなく、ドメインを購入後にサーバー設定を行ったり、毎年のドメイン維持費用を支払ったり、ずっと長い付き合いになります。
おすすめのドメイン管理会社や販売会社を5つ選び、それぞれの特徴について詳しく紹介します。
GMO運営で安心のバリュードメイン
バリュードメイン(Value Domain)は、インターネット大手のGMOが運営しているドメイン管理会社で、長年にわたってドメイン販売と管理を行ってきた実績に加え、管理画面がシンプルで分かりやすいことも特徴です。
同じくGMO!お名前ドットコム
お名前ドットコムは、同じくGMOが運営しているドメイン管理会社で、国内シェアNo.1の実績を誇ります。ウェブに慣れている方にはバリュードメインがおすすめですが、ウェブ初心者であれば「お名前ドットコム」の方が操作が簡単かもしれません。
品揃えNo.1 ゴンベエドメイン
ゴンベエドメインは、メジャーなgTLDからマニアックな新gTLDまでを幅広く、とにかくドメインの品揃えでは他を圧倒するドメイン管理会社です。2012年以降の新ドメイン急増にも対応し、次々と取り扱いドメインを増やして現在に至ります。
中古ドメイン販売屋さん
SEO対策に最適な中古ドメインの購入であれば、らっこが運営する中古ドメイン屋さんが圧倒的に充実した品揃えです。ドメインの購入から受け渡しまでの流れがシステム化されており、とてもスムーズです。業歴も長く安心感もあります。
ドメインの選び方まとめ
ドメインの選び方は、基本的には自由に好きなものを選ぶことが最適ですが、当サイト「SEOポータル」ではGoogleなど検索エンジン最適化(SEO)の観点から、ユーザーにとって分かりやすくアクセス向上に少しでも役立つ情報として解説させていただきました。
ウェブサイトの運営では、最初の一歩としてドメインを選ばなければなりませんが、SEOを意識し始めると「ドメイン選びが間違っていた!」と感じるケースも少なくありません。
この記事で解説した内容を元に、最適なドメイン選びをされ、後悔の無いウェブサイト運営をしていただければ幸いです。最後まで読んでいただいて誠にありがとうございました。
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