ジャガーアップデート(Jagger)は、現在ではブラックハットSEOと呼ばれるユーザーやGoogleを欺く目的で行われるSEO対策が施されたウェブサイトを、Googleの検索結果から排除することを目的として行われたコアアップデートです。
ジャガー(Jagger)アップデートとは
ジャガーアップデートとは、Googleが2005年9月初旬から10月初旬にかけて行ったフロリダ(Florida)に続く検索アルゴリズムのコアアップデートで、重複コンテンツや被リンクスパム、クローキングなどのブラックハットSEOへの対策を目的としています。ジャガーによるアルゴリズム更新では検索結果の大規模な順位変動が生じたため、アップデート後にはさまざまな論争が起こりました。
コアアップデート名 | ジャガー(Jagger) |
アップデート日 | 2005年9月初旬~10月初旬 |
アルゴリズムの変更対象 | 重複コンテンツや被リンクスパムへの対策 |
ジャガー(Jagger)の名前の由来は「ミックジャガー」
スパム対策チームのリーダーであるマット・カッツ氏が「検索エンジン界のミックジャガー」と呼ばれていたことや、2005年のパブコンが開催されたラスベガスで同時期にローリングストーンズのライブが行われたことなどが由来とされています。ウェブマスターワールド(WebmasterWorld)創設者のブレッド・タブケ氏が命名しました。
ジャガーアップデートによる検索結果の順位変動
ジャガー(Jagger)アップデートは、これまで一般的に行われてきた重複コンテンツや被リンク量産などのSEO対策を否定し、実際の内容とは異なる情報を検索結果に反映させるクローキングなどの悪質な行為への厳格な対策であったため、検索結果の大きな順位変動をもたらしました。
- 重複コンテンツの評価下げ
- 被リンク量産サイトの評価下げ
- クローキングなどのスパムへの対策
これらの項目はペンギン(Penguin)アップデートへと続くもので、「コンテンツSEOこそが真のSEO対策である」ことをGoogleが奨励している根拠となります。ジャガーで行われた各項目へと対策について詳しく解説します。
重複コンテンツの評価下げ
同じウェブサイト内だけでなく、複数のドメインにおける重複コンテンツに対して、ジャガーは評価を下げる措置を行いました。他サイトの記事やコンテンツを盗用したコピペサイトへの対策ですが、記事やコンテンツの所有者である正規版のウェブサイトの判定に曖昧さがあったために混乱が生じました。
また、URLの末尾の「/(スラッシュ)」の有無や、あるいは「inden.html」の記載の有無によって、すべてを別ページとしてGoogleが認識したために、サイト内に重複コンテンツがあると大半のサイトが指摘されて評価を下げるともに、検索順位を大きく落としました。
被リンク量産サイトの評価下げ
Googleは1996年に開発されたPageRankを基礎として、被リンク数が多いウェブサイトほど信頼があるとの評価基準をアルゴリズムに組み込んでいますが、無意味な相互リンクの増加や、ドメイン大量保有による被リンクの量産、有料の被リンクの購入などが横行しており、ジャガーアップデートでも被リンク量産サイトへの対策が行われました。
ジャガーにおける被リンク評価では、リンク元サイトに記載されたアンカーテキスト(サイト訪問者に見えるテキスト)や、リンク元ページのコンテンツ、リンクを通じてウェブサイトが表示される速度などが評価基準に加えられました。
クローキングなどのスパムへの対策
ブラックハットSEOへの対策は常に、Googleアルゴリズムのコアアップデートの対象となっていますが、ジャガーではCSSやURL転送によるスパムが評価を下げる対象に加えられたことが特徴です。
CSSを活用することによって特定のキーワードや文章がコードに記載されているにも関わらずサイト訪問者には見えない設定にしたり、URL転送(meta refresh)を悪用してサイト訪問者にリダイレクト先のページを閲覧させるなどの行為は、当時のSEO対策では数多くみられるもので、ジャガーアップデートによる影響は広範囲に及びました。
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